いつも通り、最初に関連する基準値を置いておきます。
個人的には、基準値はググればOKだと思っていますので、頑張って覚える必要はありません。
今は見なくていいよー、という方はスルーしてください。
- 「虚血性心疾患」に関する基準値
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「ザックリ」説明
今回は「虚血性心疾患」について解説するよ!
よくカルテで書いてある病名ですね!
確か、心臓に血液が足りなくなった状態でしたっけ?
さすがナースちゃん!
「狭心症」や「心筋梗塞」といった、心臓に供給される血液が足りなくなった状態になることを「虚血性心疾患」と呼んでいるんだ。
そういうことだったんですね!
そういえば、「虚血性心不全」っていうのもたまに見かけるんですが、それは違う病気なんですか?
詳しいね!
「虚血性心疾患」と「虚血性心不全」は、区別されるものなんだ。
じゃあその違いも含めて、詳しく解説していこうか。
「シッカリ」説明
虚血とは
虚血性心疾患の説明をする前に、虚血とは何かということをサクッと解説します。
虚血とは、細胞に対して血液が十分に供給されない状態を指します。
血液は細胞に対して栄養を届ける役割を持っていますので、血液が供給されない状態が続くと、細胞は死に至ってしまいます。
ここでの栄養は、主に酸素のことを表しているので「細胞の酸欠状態」と表現した方がイメージしやすいかも知れません。
虚血性心疾患とは
血液が心臓の筋肉に対して行き渡らなく病気のことを総称して「虚血性心疾患」と言います。
代表的なものとして「狭心症」と「心筋梗塞」が挙げられます。
どちらも心臓に血液を届ける冠状動脈という血管が細くなる、もしくは完全に詰まってしまうことで発生する病気で、強い胸の痛みを伴い、最悪の場合は死に至ることもあります。
虚血性心疾患の分類
虚血性心疾患は「ゆっくり悪化するもの」と「急に悪化するもの」の2種類に分けることができます。
ゆっくり悪化するものを「慢性冠動脈疾患」と言い、
急に悪化するものを「急性冠症候群」と言います。
どちらも、血管が細くなっていくということに変わりはありません。
この2つの中に、代表的な「狭心症」と「心筋梗塞」も含まれています。
細かい分類は以下のようになっています。
慢性冠動脈疾患 | 急性冠症候群 |
労作性狭心症 |
不安定狭心症 |
異型狭心症
|
急性心筋梗塞 |
ものすごく簡単にいえば、狭心症は冠状動脈が細くなって血液が流れにくくなった状態で、心筋梗塞は冠状動脈が完全に詰まって流れなくなった状態です。
完全に流れなくなっている心筋梗塞の方が、緊急度は高いですが、狭心症も心筋梗塞に進展する可能性がありますので、十分な注意が必要です。
それぞれの詳細な解説は以下をご覧ください。
虚血性心不全との違い
虚血性心疾患と虚血性心不全の違いを説明する前に「心不全」とは何かを解説します。
心臓は全身に対して、血液を送り出すというポンプの役割を果たしていますが、なんらかの原因によりこのポンプの力が弱くなると、十分に全身に血液を送り出すことができなくなってしまいます。
この状態を「心不全」と言います。
この心不全を引き起こす原因はいくつかありますが、特に虚血性心疾患により引き起こされる心不全を「虚血性心不全」と呼んでいます。
前の章で出てきた狭心症や心筋梗塞を例に見てみましょう。
心臓に酸素を送っている冠状動脈が細くなる、もしくは詰まってしまうことで血液が流れにくくなり、発症するのが狭心症や心筋梗塞でした。
冠状動脈の流れが悪くなるということは、流れが悪くなった部位より先が「酸欠」のような状態に陥ってしまいます。
そうすると、その部分の心臓の動きが悪くなり、結果としてポンプとしての力が弱くなることで「虚血性心不全」となってしまうのです。
まとめると
つまり、虚血性心疾患とは
・「狭心症」、「心筋梗塞」などの冠状動脈の狭窄、閉塞を伴う疾患の総称
・虚血性心疾患による心不全を「虚血性心不全」という
ということですね!
分かりました!
ありがとうございます。