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医療での「狭心症」についてわかりやすく簡単に解説!

  • 2022年5月22日
  • 2022年5月24日
  • 疾患
「狭心症」に関する基準値
心筋トロポニンT ECLIA法:0.014 ng/mL 以下
冠血流 安静時:250 ml/min(約5%)
運動時:1000 ml/min(約20%)
   

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狭心症とは

狭心症は、心臓への血液の供給が

必要としている量よりも少なくなってしまうことによって起こる症状

のことです。

血液によって心臓の筋肉に供給される「酸素」の量が減ってしまうため、心臓が「窒息している」というイメージが分かりやすいかと思います。

狭心症の分類

心臓は様々な臓器の中でも、特に酸素を必要とする臓器の一つです。

狭心症はそんな酸素をたくさん必要とする心臓に対して、十分な酸素が供給されない場合に発症します。

酸素不足の心臓

心臓に対して酸素を供給する血管を「冠状動脈」と言います。

この冠状動脈に血液が流れない状況になると、心臓に対して酸素が供給できなくなり、狭心症となります。

この血液が流れない状況というのは、以下のような場合に発生します。

血管の内部が狭くなる
血管の周りの筋肉が痙攣する

この原因の違いにより狭心症は以下の2種類に分かれます。

・血管の内部が狭くなることによる狭心症 →  労作時狭心症
・血管の周りの筋肉が痙攣することによる狭心症 →  安静時狭心症

一つずつ詳しく見ていきましょう。

労作時狭心症とは

労作時狭心症は、血管の内部が狭くなることによる発症する狭心症のことを指します。

労作性狭心症安定狭心症とも言われています。

「労作ってなに??」という方にザックリ説明するなら、

労作 = 体を動かすこと

という意味です。

つまり、労作時狭心症の意味するところは、運動や日常動作などの

体に負荷の掛かる作業(階段を登るなど)をした際に発症する狭心症

ということになります。

労作とは

また、労作時狭心症は精神的負荷(ストレス)も原因になることがあります。

労作時狭心症の発症する流れは、物理的に血管が細くなることです。

血管が細くなることを、現場では「血管が狭窄する」と言います。

狭窄の原因は主に

動脈硬化による血管壁の肥厚

です。

生活習慣病や様々な原因により血管の硬く、厚みが増していくことで、血液の通り道が狭くなってしまいます。

では具体的にどのように狭くなっているのかを見てみましょう。

安定、不安定プラーク

イラスト中の「プラーク」は脂肪の塊と考えてください。

不安定プラーク」は皮膜が薄く、構造的に柔らかいため、一旦破れてしまうと急速に症状が進行してしまう恐れがあります。

逆に「安定プラーク」は皮膜が厚く、破れにくいため、急速に症状が進行することはありません。

以前は全ての狭心症がこのプラークが肥厚して血管を狭窄させることで発症すると考えられておりましたが、現在では急激な進行を伴う場合は、プラークの破綻による血栓形成が主な原因であると考えられています。

不安定プラーク破綻

労作時狭心症の症状としては、胸部周辺や腕などの痛みとして現れますが、痛みは数分程度で治ることが多いです。

症状が起こるタイミングや、運動負荷の度合いが毎回ほぼ同じであることから、

安定狭心症

とも言われています。

これに対して、

不安定狭心症

と呼ばれています。

不安定狭心症は労作時狭心症の進行した段階にあたり、発作の症状や回数、タイミングが変わってきたものを指しています。

安定、不安定狭心症

冠状動脈が完全に閉塞した疾患を「心筋梗塞」と言いますが、不安定狭心症は「心筋梗塞の一歩手前」と考えてください。

不安定狭心症には「カテーテル治療」もしくは「心臓バイパス手術」が適応されます。

「安定狭心症」と「安静時狭心症」とは全く別物ですので混同しないように注意しましょう。

記事の最後に分類別の一覧を載せておきますので、頭を整理しながら理解してください。

安静時狭心症

安静時狭心症は「冠攣縮性狭心症」とも言います。

攣縮は「ひきつり、縮まること」という意味です。

労作時は運動や日常動作をしている時を刺していましたが、安静時は就寝中や横になっている時に起こる発生します。

稀にですが、動いている時にも症状が現れることがあります。

安静時狭心症は

冠状動脈周辺の筋肉の痙攣

が主な原因とされています。

この痙攣のことを「攣縮」または「スパズム」と呼びます。

スパズム

一時的な症状のことが多いですが、心筋梗塞につながる場合もあります。

検査方法

労作時狭心症、②安静時狭心症ともに診断方法は心電図検査が主体になります。

心電図上の変化としては、以下のようなものが挙げられます。

・T波とQRSベクトルの不一致
・ST低下
・ST上昇
・R波減高
・心室内または脚伝導異常
・心室性期外収縮
など…

これらの変化は発作時しか出ないため、基本的には「負荷試験」を行います。

負荷試験は病気の診断をするため、意図的に症状を誘発して行う検査のことです。

まとめると

狭心症とは…

種々の原因により、心臓に送られる酸素の量が必要量よりも少なくなった場合に発症する症状のこと

労作時に発症するものと、安静時に発症するもので区分される

最後に狭心症の分類をまとめていますので、見返しながら整理してみてください。

狭心症の分類

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