「ザックリ」学ぶ医療の教科書シリーズ!
もう第4回目ですね!
心電図が何か?ってことは何となくわかってきたんですが、未だに「モニター心電図」と「12誘導心電図」の違いがわからないんですよね。
いっぱい波形が出るのが12誘導ってことはわかるんですが…
その二つは全く別物ってわけではないから余計に混乱するよね。
例えるなら、ガラケーとスマホみたいな感じかな。
12誘導の方がスマホのように、色々なことが調べられるんだ!
ではモニター心電図はわかることが少ないんですか?
付けるのは圧倒的にモニター心電図が多いと思うんですが…
確かにほとんどはモニター心電図だね。
モニター心電図では、
「心拍数」と「致死性の不整脈」を見る
ことが主な目的なんだ!
それに対して12誘導は
「じゃあ詳しくはどういう状況なの?」
を判断するために使用しているね。
これだけでは分かりにくいから、詳しく説明していくね!
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心電図の種類
心電図、と一言でいってもその取り方や電極の張る位置などので細かく分類されています。
まずは混乱しないように、それぞれの計測方法による分類を確認してから、計測する位置による分類を見ていきましょう。
計測方法による分類
・モニター心電図
言わずと知れた、心電図測定の定番です。
心電図の波形を見ることが目的というよりは、「心拍数」と「致死性の不整脈」を監視することを目的に行われています。
三つの電極を張ることで、赤色の電極(-)と緑色の電極(+)の間の電気の変化を見ることが出来ます。
上のイラストの様な位置で貼ることが一般的で、心臓を緑色の電極(+)から見ているようなイメージになります。
また後ほど、計測位置による分類は説明しますが、このように心臓を左下から眺めるような心電図計測をII誘導と言います。
・12誘導心電図
モニター心電図に続く心電図測定の定番です。
モニター心電図よりも多くの電極を貼ることが特徴ですね。
不整脈を見るために使用され、臨床でよくあるパターンとしては以下のようなものが多いです。
「モニター心電図で不整脈の兆候あり!」→「一旦12誘導で確認しようか」
12誘導という言うけれども、貼る電極は全部で10個です。
それぞれの電極の意味や位置などはまた後ほど詳しく解説します。
・ホルター心電図
普段使わない人からしたら、少し珍しい部類の心電図計測方法です。
主に「実は不整脈じゃない?」という場合に使用します。
不整脈といっても常に出ているわけではないものも多いため、このホルター心電図を装着した状態で生活をしてもらい、治療すべき不整脈が潜んでいるのどうかを検査する機器です。
・イベント心電図
これも普段目にすることは少ないであろう心電図計測です。
「なんかドキドキすることあるんだけど、検査しても問題なしになるんだよな〜」という人に用いられます。
機器を貸し出しておいて、自覚症状があった際には電極を自分で貼ってもらうことで、心電図を記録することが可能です。
ホルター心電図との違いは、自覚症状があった場合に装着して使用するため、自覚症状がない患者は不整脈を発見できないという点です。
計測位置による分類
・四肢誘導
四肢誘導は、それぞれの手足に電極をつけて測定する心電図を指します。
使用する電極は合計4つです。
右足に装着する電極は、アースの役割をします。
これをつけることで、体動やその他の交流雑音を取り除き、心電図を見やすくすることができます。
それぞれの電極の電位差で心電図を導出する方法を「双極誘導法」呼び、I〜III誘導まで3種類が存在します。
これに加えて、三つの電極の中心点を「不関電極」という架空の電極として形成し、不関電極からの電位差から心電図を導出する方法を「単極誘導法」と言い、「aVr」「aVl」「aVf」の3種類が存在しています。
このように、それぞれの電極を結んだ三角形を「アイントーベンの三角形」といいますが、正直現場で使うことはありませんので、覚える必要はないです。
・胸部誘導
胸部誘導は、胸に合計6つの電極を張ることで計測する心電図のことです。
貼り付ける電極の位置は以下の通りです。
正確には第◯肋間に〜ということが決められていますが、正確な位置に張るよりも早く心電図を採りたい場合の方が多いため、大体の位置で覚えても問題ありません。
大事なのは貼る電極の順番と、心臓を取り囲む様に貼り付けることです。
四肢誘導との最大の違いは、
「心臓を輪切りにしてみている」
ということです。
四肢誘導は心臓を一つの球体と捉えた時、おおよそ縦切りしたように見ていると捉えることができます。
これに対して、胸部誘導は心臓の輪切りにしたように捉えることができます。
特に心臓の前壁は胸壁に近いため、心臓前壁〜側壁の異常があった場合には著明な変化が現れます。
まとめると
つまり、心電図の種類は…
・ 主に心拍数と致死性の不整脈を見る「モニター心電図」
・ 虚血性心疾患の兆候を精査する「12誘導心電図」
・ 隠れた不整脈を調べる「ホルター心電図」と「イベント心電図」
といった種類に分けられるんですね!
その通りだね!
これで心電図の種類がわかったね。
次は心電図を読み方の基礎について解説するよ!
次回もよろしくお願いします!
今回は心電図の種類について解説しました。
色々種類がありましたが、モニター心電図と12誘導の違いが分かれば今回はバッチリです。
次回からは実際の心電図の読み方について解説していきます。
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