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医療での「意識レベル」についてわかりやすく簡単に解説!

「ザックリ」説明

 
ナース看護師

ドクター先生!

意識レベルって業務でよく使いますけど、正確にはどういう意味なんですか?

 

 
ドクター先生

意識レベルっていうのは、

意識障害の程度

を表す言葉だね!

 

 
ナース看護師

意識障害って意識がなくなる状態のことでしたっけ?

 

 
ドクター先生

正確には、意識障害は「 意識が清明ではなくなること 」だね。

意識が無くなっていなくても、いまひとつハッキリしない状態の場合は、意識障害があると判断するんだ。

 

 
ナース看護師

そうなんですね!

でも意識障害の程度なんて、パッと見ただけではわかりませんよね?

どうやって判断するんでしょうか?

 

 
ドクター先生

いいところに気がつくね!

ナースちゃんの言ったように、見ただけでは意識障害を判別することが難しいから、「JCS」や「GCS」といった評価方法が考えられてきたんだ。

 

 
ナース看護師

JCSとGCSって意識レベルを確認するものだったんですね。

もっと詳しく意識レベルについて教えてください!

 

 
ドクター先生

じゃあ、JCSやGCSも含めて詳しく見ていこうか!

「シッカリ」説明

意識レベルとは

意識レベルとは、意識障害の程度を言い換えたものです。

 

すごく簡単に言うのであれば、

意識どのくらいハッキリしていますか〜?

ということです。

 

人体の最も基礎的情報である「バイタルサイン」の一つにも入っているくらい、医療において重要な要素と考えられています。

医療での「バイタルサイン」について簡単に解説!

 

意識障害が重度の場合を

意識レベルが低い

と表現します

 

しかし、意識障害がない場合を「意識レベルが高い」とは言いません(聞いたことがない)。

 

意識障害がない時には、

レベルは問題ない!

意識は大丈夫

と言った風に伝えるのが自然です。

 

意識がハッキリしない(意識障害がある)と言っても、その程度によって段階があります。

 

意識障害がない状態を「意識清明」と言い、これがシッカリと目覚めた後の状態に当たります。

一般的な健康的な人は、ほぼこの状態に当たります。

 

逆に、最も深刻な意識障害の状態を「昏睡」と言います。

昏睡は、揺すっても体に痛みを与えても全く起きない状態を指します。

 

この意識清明と昏睡の間には「明識困難」「昏蒙」「傾眠」「嗜眠」「昏迷」の細かい状態が存在します。

しかし、意識レベルの確認で

うん、この状態は嗜眠ですね

と言っても

正直誰もわかりません

 

寝起きの時とシッカリ目が覚めた後では、後者の方が意識がハッキリしているとは思いますが、

どこまでが寝起きの状態なのか、

どこからがハッキリしている状態なのか、

ということは周りから見ても判断が難しいかと思います。

 

そのため、これらの意識の状態をわかりやすく分類するために、「JCS」と「GCS」という意識障害を分析するための基準を使用して判断します。

「意識レベルの確認」というのは

JCSとGCSの二つを使って意識を評価すること

と考えて間違いありません。

 

患者の意識レベルを他人に伝えるときも、先ほどのような「傾眠」や「昏迷」と言った表現は使わず、JCSとGCSの2つで評価した得点を用いるのが普通です。

 

意識レベルの評価方法

意識レベルの評価方法は「JCS」と「GCS」のどちらか、もしくは両方を使用するのが一般的です。

使い分けに関しては意見の分かれるところですが、施設や医師の方針によっても違ってきます。

それぞれ、どのようなものかだけでも理解しておきましょう。

 

絶対に抑えておきたい点が、

JCSは最高300点で、より低い得点の方が重症

GCSは最高15点で、より高い得点の方が重症

ということです。

 

日常的にJCSとGCSを使用しない方でも、この2点は間違えると

全く逆の意味になってしまいます

ので、抑えておきましょう。

 

JCSとは

JCSはJapan Coma Scaleの頭文字を取ったもので、意識障害の程度を分類するために使用されます。

ジャパン・コマ・スケールと発音します。

ざっくりと訳すると、

「日本の(Japan)」

「昏睡の(Coma)」

「目安(Scale)」

といったところでしょうか。

 

対象となる患者の意識が

どのくらいはっきりしているか、もしくはしていないのか

と言うことを簡単に評価して、表現することができます。

医療での「JCS」について簡単に解説!

 

GCSとは

GCSはGlasgow Coma Scaleの頭文字を取ったもので、

どのような意識障害があるのか

を分類するために使用されます。

 

グラスゴー・コーマ・スケール と発音しますが、全部はっきりと発音することは滅多にない(というよりしない)ので「GCS」とだけ覚えておけば大丈夫です。

 

ざっくりと訳すると、

「グラスゴー(大学)が考えた(Glasgow)」

「昏睡の(Coma)」

「目安(Scale)」

です。

 

グラスゴーの部分はこの評価方法を考えた大学から来ていますが、「グラスゴー大学が作ったんだなあ」くらいの認識で大丈夫です。

 

対象となる患者の意識が

どのような状態であるのか

と言うことを評価して、分かりやすく表現することができます。

医療での「GCS」について簡単に解説!

 

JCSとGCSの違い

JCSとGCSのどちらを使用するか、ということ関しては施設だけではなく、医師によっても分かれるところです。

JCSの方がパッと評価できるため、日常的によく使われている印象です。

JCS

  0 意識鮮明
I.覚醒している 1 今ひとつはっきりしない
2 日時や場所、人物がわからない
3 名前、生年月日がわからない
II.一時覚醒する 10 呼び掛けで目を開ける
20 大声で呼び掛けたり、揺すると目を開ける
30 痛み刺激を加える、揺するなどを続けてかろうじて目を開ける
III.覚醒しない 100 痛み刺激に対して、払い除けるなどの動作をする
200 痛み刺激に対して、四肢を動かしたり、顔を顰めたりする
300 痛み刺激に対して、全く反応しない

GCS

E:開眼反応 V:言語反応 M:運動反応
4 開眼している 5 時、場所、人が言える 6 指示に従って動く
3 呼び掛けで開眼 4 時、場所、人が言えない 5 痛み刺激を与えた位置に動く
2 痛み刺激で開眼 3 発言が支離滅裂 4 痛み刺激を与えた部位を引っ込める
1 開眼しない 2 意味のない発声 3 四肢の異常屈曲
    1 発声が見られない 2 四肢の異常伸展
    T 気管挿管している(Tube) 1 痛み刺激でも全く動かない

※Tの得点は1とする

しかし、JCSでは

どの程度意識障害があるか

ということは簡単に表すことができますが、

どのような意識障害があるか

と言うことを表すことはできません。

ですので、どのような意識障害があるか、と言うことを表現する時にはGCSを用います。


イメージとしては、

GCSは「意識障害の種類」 を、

JCSは「意識障害の程度」 を表す、

といった感じでしょうか。

 

ですが、あくまで使い分けに関しては施設の方針や医師によります。

「この時は絶対にGCS!」もしくは「この時は絶対にJCS!」とは言い切れませんので、注意してください。

 

JCSはJapanと言うくらいなので日本で用いられる評価方法ですが、GCSは世界レベルで用いられる意識障害の評価方法です。

 

口頭だけではなく、カルテなどでもよく記載される情報ですので、JCSもGCSも「何点であれば、大体どのような状態なのか」は分かるようになっておくと安心です。

まとめると

 
ナース看護師

つまり、意識レベルは…

意識障害の程度のこと

意識レベルはJCSとGCSを用いて表現する

ということですね!

 

 
ドクター先生

その通りだね!

これで意識レベルについては理解出来たね。

また分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。

 

 
ナース看護師

分かりました!

ありがとうございます。