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医療での「心筋保護液」についてわかりやすく簡単に解説!

「心筋保護液」に関する基準値
カリウム 約 16 mEq/L
温度による酵素活性 50%減 / 10℃ごと
(体温37℃から17℃になった場合、25%まで下がる)
血液心筋保護液の割合 血液:心筋保護液 = 4:1

「心筋保護液」を学ぶなら、まずこの一冊!

心筋保護液とは

心筋保護液とは…

心臓を安全に止めるために使用する薬剤

のことです。

多くは

カリウムを多くを含んだ溶液

を使用します。

心筋保護液

心筋保護液の使用用途

心筋保護液は、血液が供給されていない間に「心臓の組織を保護すること」を目的とした「心筋保護法」で使用されます。

心臓に血液が供給されない状況とは特に、心臓(特に内部)を手術する時です。

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心筋保護_サムネ

心筋保護液の種類

心筋保護液には、以下の大きく2種類の組成があります。

血液心筋保護液

晶質性心筋保護液

心筋保護液に血液を使用するものを「血液心筋保護液」といい、血液を使用しないものを「晶質性心筋保護液」といいます。

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心筋保護液
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好気性と嫌気性

心臓は体の中でもエネルギー消費が多い組織であり、長時間の心筋保護になると細胞に酸素が足りなくなってしまいます。

結果、心臓を再び動かそうとした際に心臓の組織に深刻なダメージを受けてしまう、

虚血再灌流障害

を引き起こしてしまいます。

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虚血再灌流障害_サムネイル

血液には優秀な緩衝効果を持つヘモグロビンが含まれているため、血液心筋保護液では酸素を使った代謝を行い易い環境を作ることが可能です。

晶質性心筋保護液には血液は含まれませんが、低い温度での投与が可能なため、こちらも充分に保護効果を得られると言われています。

ちなみに心筋保護液と心臓の保存に用いられる「心保護液」は別物ですので、ご注意ください。

心筋保護液の温度

心筋保護液の温度は、心臓の代謝を考慮して決められます。

この温度が絶対!という明確な基準はなく、各施設によって使用される温度が違います。

組織の温度は下がれば下がるほど代謝が少なくなります。

心筋保護液を投与している間は心臓に対して酸素の供給が行えないため、代謝を下げることは重要な要素のひとつです。

代謝と温度

息を止めていることと同じ状態なので、可能な限り息をしなくても大丈夫な環境にしている、と想像してください。

まとめると

心筋保護液とは…

血液を用いるものと、用いないものが存在する

代謝を考えることが重要

最大の目標は虚血・再灌流障害を防ぐこと

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