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細胞内液

  • 2022年1月23日
  • 2022年4月24日
  • 生理学

いつも通り、関連する基準値を置いておきます。

個人的には、基準値はググればOKだと思っていますので、頑張って覚える必要はありません。

今は見なくていいよー、という方はスルーしてください。

「細胞内液」に関する基準値
ちょこっと解説 基準値
細胞内pH 細胞内pHの基準値 おおよそ7.0
細胞内ナトリウムイオン [ Na+ ] 10 [ mEq / L ]
細胞内カリウムイオン [ K+ ] 150 [ mEq / L ]
細胞内カルシウムイオン [ Ca2+ ] 0.0001 [ mEq / L ]
細胞内マグネシウムイオン [ Mg2+ ] 58 [ mEq / L ]
細胞内塩素イオン [ Cl- ]  4 [ mEq / L ]
細胞内重炭酸イオン [ HCO3- ]  10 [ mEq / L ]
細胞内リン酸イオン [ HPO42- ] 75 [ mEq / L ]
細胞内硫酸イオン [ SO42- ] 2 [ mEq / L ]

「ザックリ」説明

細胞内液とは、

体を構成する細胞の中にある水のこと

を意味します。

この水は「体液」と呼ばれており、

細胞内液は体重の40%分もの体液を保持しています。

「シッカリ」説明

細胞内液の割合

体を構成する細胞は75兆個にも及びます。

それらの中身には「細胞小器官」と呼ばれる構造体が存在しますが、それらの周りを満たしているのが「細胞内液」です。

細胞という部屋の中を満たしている水、と想像して頂ければ分かりやすいかと思います。

 

 

細胞内液を含め、人体は体重のおおよそ60%が水分で構成されています。

平均的な人では体重の約40%が細胞内液であり、残りの20%は「細胞外液」という細胞と細胞の間に存在する液体で満たされています。

内液と外液の比率

体重に占める脂肪の割合が多いほど、水分量は減少します。

そのため、加齢や肥満、性別などにより体重に占める水分量の割合は変化します。

 

 

細胞内と細胞外の仕切り

細胞内液と細胞外液は「細胞膜」という壁によって分けられています。

この細胞膜は水は通しやすく、電解質は通し難いという性質持っており、細胞内外での水分量の調節に役立っています。

ちょいとリアルなやつ

具体的には、カリウムイオンのほとんどを、細胞内に保持しており、逆にナトリウムイオンのほとんどは細胞外に排出している事で、それぞれの晶質浸透圧を保っています。

晶質浸透圧がピンとこない方は、以下をご覧下さい。

医療での「浸透圧」について簡単に解説!

 

細胞内と細胞外の電解質

電解質を通しにくいという話をしましたが、これにより細胞内外では電解質の濃度差が発生しています。

[ mEq / L ] 細胞外液 細胞内液

ナトリウムイオン [ Na+ ]

142  10

カリウムイオン [ K+ ]

150
カルシウムイオン [ Ca2+ ] 2.4 0.0001
マグネシウムイオン [ Mg2+ ] 1.2 58
塩素イオン [ Cl 103 4
重炭酸イオン [ HCO3 ] 28 10
リン酸イオン [ HPO42- ] 4 75
硫酸イオン [ SO42- ] 1 2
タンパク質 5 40

 

上の表を見ていただければ分かる通り、細胞内と細胞内の濃度は大きく異なります。

 

 

細胞外液と比較した時、細胞内液は少しのナトリウムイオンと塩素イオンを含み、カルシウムはほとんど含まないことがわかります。

また、その代わりに大量のカリウムイオンとリン酸イオンを含んでいます。

タンパク質が多いのも細胞内液の特徴です。

細胞外液と細胞内液

 

これらのイオンは細胞の働きや浸透圧に関与するため、細胞膜上にある「チャネル」によって制御されています。

 

まとめると

細胞内液とは…

・細胞内に存在する体液のこと

・細胞外液と細胞内液は大きく組成が異なる

 

 

以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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関連用語

・細胞外液

浸透圧