「ジャパン・コマ・スケール」に関しての基準値は特にありません。
今回、基準値はお休みです。
- 「ジャパン・コマ・スケール」に関する基準値
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「ザックリ」説明
ドクター先生!
「ジャパン・コマ・スケール」ってどう意味でしょうか?
ジャパン・コマ・スケールは
患者の意識障害の程度を表す分類
のことだよ!
よく「JCS」って略されるやつだね。
なるほど、そういうことだったんですね!
あれ、そういえば意識障害の分類でGCSっていうのがありませんでしたっけ?
お、詳しいね!
分類としては全く違うけど、GCSも意識障害がある時に使う分類だね。
その二つは何が違うんでしょうか?
じゃあ、それぞれの違いも含めて詳しく見ていこうか!
「シッカリ」説明
ジャパン・コーマ・スケールとは
ジャパン・コーマ・スケールは、意識障害の程度を分類する評価基準です。
よくJCSと略されて呼ばれており、Japan Coma Scaleの頭文字を取ったものです。
ざっくりと訳すると、
「日本の(Japan)」
「昏睡の(Coma)」
「目安(Scale)」
といったところでしょうか。
対象となる患者の意識が
「どのくらいはっきりしているか、もしくはしていないのか」
と言うことを分かりやすく表現するために存在する分類ですね。
ジャパン・コーマ・スケールと同じく、意識レベルを評価するグラスゴー・コーマ・スケールと組み合わせて用いられています。
ジャパン・コーマ・スケールの分類
ではジャパン・コーマ・スケール(JCS)の意味がわかったところで、その分類を具体的に見ていきましょう。
ジャパン・コーマ・スケール
0 | 意識鮮明 | |
I.覚醒している | 1 | 今ひとつはっきりしない |
2 | 日時や場所、人物がわからない | |
3 | 名前、生年月日がわからない | |
II.一時覚醒する | 10 | 呼び掛けで目を開ける |
20 | 大声で呼び掛けたり、揺すると目を開ける | |
30 | 痛み刺激を加える、揺するなどを続けてかろうじて目を開ける | |
III.覚醒しない | 100 | 痛み刺激に対して、払い除けるなどの動作をする |
200 | 痛み刺激に対して、四肢を動かしたり、顔を顰めたりする | |
300 | 痛み刺激に対して、全く反応しない |
JCSの特徴は、まず意識レベルで大きく3段階に分けたあと、さらにそれらを詳細な3段階に分ける点です。
この3×3=9段階に分けるという特徴から「3-3-9度方式」と呼ばれることもあります。
あまり口頭で「3-3-9度方式」という人はいないので、頭の片隅に置いておくくらいで大丈夫です。
意識レベルの分類は、
・覚醒している
・一時覚醒する
・覚醒しない
の3段階です。
これは、目が開くかどうかという単純な分類です。
目が開いていれば「覚醒している」、
何かしらのアクションで目を開けるなら「一時覚醒する」、
何をしても目を開けないなら「覚醒しない」、
となります。
そこからさらに3段階に分けることで、どの程度の昏睡状態なのかを評価することができます。
全ての分類をざっと見てもらえたらわかるかと思いますが、全て簡単に評価することができるような項目であるため、非常に分かりやすく、すぐに評価することができます。
そのため、JCSはその数値が大きい方が重症であることを表しています。
ジャパン・コーマ・スケールの表記としては「JCS 1」や「JCS 20」、「JCS 300」と表現されます。
しかし、人によっては「I-1」や「II-20」、「III-300」などと書くこともあります。
正確な表現としては前者ですが、正直どちらでも伝わるので大きな問題にはなりません。
ここからさらに、以下のような付加情報を加えることもあります。
・R:不穏
・I:失禁
・A:自発的喪失
表記としては「JCS 1-R」などと後ろにつけて表現します。
この付加情報については、日常的にジャパン・コーマ・スケールを使用する場合は覚えておく必要がありますが、あまり使用しない分野で従事している場合は、その都度調べるくらいで問題ないでしょう。
ジャパン・コーマ・スケールとグラスゴー・コーマ・スケールの違い
ジャパン・コマ・スケール(JCS)とグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)のどちらを使用するか、ということ関しては施設だけではなく、医師によっても分かれるところです。
JCSの方がパッと評価できるため、日常的によく使われている印象です。
しかし、JCSでは
「どの程度意識障害があるか」
ということは簡単に表すことができますが、
「どのような意識障害があるか」
と言うことを表すことはできません。
ですので、どのような意識障害があるか、と言うことを表現する時には以下のGCSを用いるしかありません。
GCS
E:開眼反応 | V:言語反応 | M:運動反応 | |||
4 | 開眼している | 5 | 時、場所、人が言える | 6 | 指示に従って動く |
3 | 呼び掛けで開眼 | 4 | 時、場所、人が言えない | 5 | 痛み刺激を与えた位置に動く |
2 | 痛み刺激で開眼 | 3 | 発言が支離滅裂 | 4 | 痛み刺激を与えた部位を引っ込める |
1 | 開眼しない | 2 | 意味のない発声 | 3 | 四肢の異常屈曲 |
1 | 発声が見られない | 2 | 四肢の異常伸展 | ||
T | 気管挿管している(Tube) | 1 | 痛み刺激でも全く動かない |
※Tの得点は1とする
イメージとしては、
JCSは「意識障害の程度」を、
GCSは「意識障害の種類」を表す、
といった感じでしょうか。
ですが、あくまで使い分けに関しては施設の方針や医師によります。
「この時は絶対にGCS!」もしくは「この時は絶対にJCS!」とは言い切れませんので、注意してください。
JCSはJapanと言うくらいなので日本で用いられる評価方法ですが、GCSは世界レベルで用いられる意識障害の評価方法です。
この2つがややこしいのが、
・JCSは数値が大きい方が重症
・GCSは数値が小さい方が重症
という点です。
「JCSで200!」とかであれば、GCSの基準的にはあり得ない数値なので判断が容易ですが、「JCSで10!」などの両方であり得る数値を口頭で言われると、慣れないうちは混乱します。
口頭だけではなく、カルテなどでもよく記載される情報ですので、JCSもGCSも「何点であれば、どのような状態なのか」は最低限分かるようにしておきましょう。
まとめると
つまり、ジャパン・コマ・スケール(JCS)は…
・意識障害の程度を表す分類のこと
・JCSは数値が大きい方が重症である
イメージとしては…
・JCSは「意識障害の程度」を表す
・GCSは「意識障害の種類」を表す
ということですね!
その通りだね!
これでジャパン・コマ・スケールについては理解出来たね。
また分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。
分かりました!
ありがとうございます。