- 「好気的代謝」に関する基準値
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「ザックリ」説明
今回は「 好気的代謝 」について説明するよ。
業務ではあまり聞かない単語ですね。
どういう意味なんですか?
好気的代謝は、
酸素を利用してエネルギーを産生する代謝
のことだよ。
ということは、 酸素を利用しないでエネルギーを産生する代謝 も存在しそうですね。
鋭いね!
ではそれも含めて、詳しく解説していこうか!
「シッカリ」説明
好気的代謝とは
酸素を必要とする事を「 好気的 」と言います。
代謝は大きい意味としては「 体内で発生するすべての化学反応 」を指しますが、好気的代謝という言葉の中では「 エネルギー産生 」をピンポイントで表していると考えて間違いありません。
エネルギーという抽象的な表現をしていますが、これは「 ATP 」の事を表しています。
ATPは「 アデノシン三リン酸 」のことであり、生体内での消費と再生成を繰り返されることから、「 細胞のエネルギー通貨 」と呼ばれています。
小難しく聞こえますが、要はATPはエネルギーとして使いやすい形ということです。
コンビニであっても美容院であっても、同じようにお金(通貨)は使えると思いますが、それと同じです。
このATPを生成する方法には、
酸素を利用する「好気的代謝」、
酸素を利用しない「嫌気的代謝」
の2種類に分けることができます。
ATPの産生経路はいくつか存在しますが、好気的代謝に関わるのは「 TCA回路-電子伝達系 」と呼ばれる経路です。
TCA回路はアセチルCoAと呼ばれる化合物から始まります。
詳しくは割愛しますが、このアセチルCoAは糖や脂肪、アミノ酸の代謝から産生されます。
それぞれの経路についての詳細は以下をご覧ください。
→「糖代謝」
→「脂質代謝」
→「アミノ酸代謝」
TCA回路と電子伝達系
TCA回路は「 クエン酸回路 」とも言われ、最初の段階で「 アセチルCoA 」と「 オキサロ酢酸 」の結合によるクエン酸の合成から始まり、 最終的にはオキサロ酢酸を産生 します。
最初に使用したオキサロ酢酸を最終的に作成するため、「回路」と名付けれらているわけです。
では、このTCA回路の役割はなんでしょうか。
よく勘違いされるのですが、
「TCA回路内でATPを作成すること」 ではありません
もちろん最終目標はATPの産生ですが、このTCA回路で合成されるATPはごく僅かでしかありません。
TCA回路単体でのATP産生に関する役割は、 水素原子の産生 にあります。
ここで産生される水素原子は、TCA回路の次段階である「 電子伝達系 」と呼ばれる経路にて大量のATPを産生するために使用されます。
電子伝達系では、「 水素と酸素を使用して大量のATPを産生 」します。
これを「 酸化的リン酸化 」と言います。
この酸素を使用してATPを作る「TCA回路-電子伝達系」の流れを
好気的にエネルギーを産生する = 好気的代謝
というのです。
それぞれの詳説は以下をご覧ください。
→「TCA回路」
→「電子伝達系」
好気的代謝が行えない場合
酸素が不十分であったり、利用できない状況下では「酸化的リン酸化」を行うことができません。
しかし、このような状況下でも、 炭水化物の分解段階によって少量のエネルギーを得ることができます 。
このように酸素を利用せずにエネルギー得る方法を、嫌気的代謝 と言います。
まとめると
つまり、好気的代謝とは
・ 酸素を使用してATPを得る代謝のこと
・ TCA回路、電子伝達系を通ってATPを産出する
ということですね!
さすが、ナースちゃん!
これで「好気的代謝」についてはバッチリだね。
また分からないことがあったら遠慮なく聞いてね。
分かりました!
ありがとうございます。