- 「心房性ナトリウム利尿ペプチド」に関する基準値
-
心房性ナトリウム利尿ペプチド 40 [ pg / ml ] 以下 脳性ナトリウム利尿ペプチド 20 [ pg / ml ] 以下
\ 「心房性ナトリウム利尿ペプチド」を学ぶなら、まずこの一冊! /
心房性ナトリウム利尿ペプチドとは
心房性ナトリウム利尿ペプチドは英語では
「Atrial Natriuretic Peptide」
といい、現場では略して
「ANP」
と呼ばれることが多いです。
心臓の房室から分泌されるホルモンの一つで、
ナトリウム利尿作用、
血管拡張作用
などを始めとした多彩な作用を持っています。
心房性ナトリウム利尿ペプチドが高値の場合は、心臓に対する負担(心房負荷)や血管内の水分の過剰(循環血漿量の増加)を起こす病気がある可能性があります。
心房性ナトリウム利尿ペプチドの役割
心房性ナトリウム利尿ペプチドは、その名前の通り心臓の「心房」から血液中に分泌されるホルモンです。
心房に負荷がかかると分泌され、腎臓に作用して利尿を促進し、末梢血管を拡張して血圧を下げるなどの効果を発揮します。
簡単にいうと、心房性ナトリウム利尿ペプチドは何らかの要因で心臓に負荷がかかったときや、血液を押し出す力が必要になったときに分泌され、心臓の負担を軽減する役割を持っているということです。
心房性ナトリウム利尿ペプチドにはα、β、γの3種がありますが、ホルモンとして血中にあるのはほとんどがαです。
心臓の疾患や、腎臓の疾患(心不全や腎不全など)がどのくらい重症かを判定するときや、行った治療の効果がどのくらいあったかを判定する基準として使用されます。
心房性ナトリウム利尿ペプチドとよく似たホルモンに、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)と呼ばれるものが存在します。BNPは心房性ナトリウム利尿ペプチドと比較して心機能が減少した際の反応が大きく、心不全の指標としては心房性ナトリウム利尿ペプチドより優れていると言われています。
「それでは心房性ナトリウム利尿ペプチドの立場がないではないか!」と思われるかも知れませんが、心房性ナトリウム利尿ペプチドは透析前後で大きく変動することから、慢性腎不全患者における透析終了時体重の設定の指標として用いられています。
ただし、両者共に体液量の変化にも影響を受けるため、結果の判読には注意が必要です。
まとめると
心房性ナトリウム利尿ペプチドは…
・英語の頭文字を取って「ANP」と呼ばれることが多い
・心臓の心房から分泌される
・分泌には心房にに対しての圧力負荷が関係する
・心室機能、心不全の重症度などを確認する指標として用いられるほか、透析終了の指標としても用いられる
\ 「心房性ナトリウム利尿ペプチド」を学ぶなら、まずこの一冊! /